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未来が見えない女の本当にあった怖い話

マジでウチくる20分前 ~後編~

いまいあいです。

ツイッターいまい垢で始めてから、何人かフォローさせていただいています。
基本的に無言フォローです、すみません。
大体が「おすすめユーザー」的なあれそれで出てきた方々なので、本垢ではなかなか出てこない、私に新しい価値観を与えてくれる人(勝手に感銘を受けてるだけ)と、その通りだわ~ってゆう同族心くすぐる人ばかり。さらにその人らがRTしている先の人のブログとか見にいっちゃうもんだから毎日TLを見るのが楽しいです。ツイッターありがとう。

中で 深爪さん(@fukazume_taro)という方のツイートを見つけ、彼女が出したブログのまとめなどの電子書籍が出たということも知り、ちょうどKindleユーザーだったので、深爪さんのコラムを買って読んでみました。

er-深爪な愛とセックスのはなし (eロマンス新書)

趣味のひとつである格闘技観戦の当日券を並んでる最中に読破したのですが、むっちゃ面白かった。とくに、セックス時の喘ぎ声の件については本当に同感しかなく、今回のブログを西田の後編よりも、喘ぎ声について語りたい気持ちがいっぱいです。ただ、当日券を並んでいたので後ろのお兄さんに間違いなく読んでいる内容を見られたと思います。

という冗談はさておき、前回の続き

aimaimix.hatenablog.com 


西田と目黒駅の改札前まで来た私は、とりあえず「まず自分を正当化させよう」という考えがあり、西田にひとつの確認をしました。

「別に私の家に来ることはいいんですけど、もしそういう関係になるなら、私と西田さんに未来はあるんですかねえ?」

「え?未来???」
突然の重い発言に戸惑う西田。そりゃそうだよね。私だって会ったばっかりの男に言われたくないよ。しかし、これは少なからず本心ではあり、私が自分の家に入れるとしたらその次の日もいてもOKという意味もあるんだから(しかし今回はハナっから入れるつもりはない)。

「えー、、、そう、そうだね。もちろん考えてるよ^^」
そう言う西田に対して、深く追及はせずに「そうですか」と言い、ふたりで改札を通った。ここでふと見た西田の定期の区間が、西田から聞いてた職場の場所とも違ったことは、もはや突っ込みどころではない。

電車に乗り、私の家の最寄り駅までおよそ数十分。ここで私はずっとひっかかっていたあることを西田に聞こうと思っていた。

そう、それは年末年始どこにいたのか問題。
前編でも書いたように、Tinderの情報から明らかに年明け後に過ごしている場所に嘘をついていた西田は、いったいどこで何をしていたのか。
誰といたかなんて全く気にならない。ただ単にバレやすい嘘をついたことに対して、あなたのココロのスキマをドーン!としたいだけだった。

数駅経ったときに私は西田に話しかけた。
「そういえば、お正月はどっか行きました?」
この質問だけだったら、ただ単に世間話のきっかけとしか思えない。そしてこの質問の答え次第では、西田は正義になる可能性だってある…!いや、ないな!

西田は笑顔で言った

「ん?家でゆっくりしてたよ」

イエデユックリシテタヨ

この11文字のデスワードで、西田への1%の希望は0%になり、「そうなんですか~。」という、私の悪魔の笑顔つきの相槌で質疑応答が終わった。たぶん、相当悪い顔してたと思う。

ここで電車は大きなターミナル駅についた。私の最寄り駅まで乗り換えが1回。しかし私は西田にひとつの提案をした。

「この駅からだったら私の家まで歩いて20分なので、降りてお散歩しながら帰りません?」

この提案にもちろん疑問を抱かず「うん、いいよ」と快諾してくれる西田。ありがとう西田。

改札を出て、繁華街をしばらく鼻歌まじりに歩く学生に見られがちな30代と、それについていく30歳には見えないクタクタなサラリーマン。この謎の組み合わせはいったいなんなんだろう。ここでとある場所が近くになったなった時に、私は「いっこお願いがあるんですけど」と提案をした。

「名刺、くれませんか?」

突然の名刺交換に、西田は「なんで?」という顔。
「いや、だって、私の家に入るんですよね。なんかあったら嫌じゃないですか。名刺だけじゃなくて、身分証も見せてください」

電車内でポワ~っと「お正月どこいってたんれすか~?」と聞いてた女はどこにもいない。

「なんかあったらってどういう(笑)」
「モノ盗まれても嫌ですし、お互い病気持ってても嫌じゃないですか」
「いやいや(笑) まぁ別にいいけど…」

と、言ってもなかなか出さない西田。
ここで待っててもしょうがないし、本当に個人情報もらうつもりはありません。だってこの人はウチに来ないし。

「私、飲んでた時も『嘘つく人嫌い』って言ってたじゃないですか。西田さんていろいろ信用できないんですよね。」

「え?どういうこと?」

「さっき、私電車の中で『お正月どこ行ってたか』って聞きましたよね。なんで嘘つくんですか?」

こっからすべて俺のターン!という具合に、誘導尋問まではいかないけど、畳みかけるように攻める攻める!FOOOOOOOO!!!!

「Tinderって、お互いの距離の表示出るじゃないですか。あれで西田さんが横浜より遠いところに行ってるの出てましたよ。なんで実家にいるって言ったんですか?」

「え??あー、、実は大阪の友達が裁判の相談で…」
と、わけのわからないことを言う西田。『裁判』というワードを出せば、黙ると思ってんのか?別にこいつ弁護士でもなんでもないのに。しかし西田はここでさらに墓穴を掘っていることにすぐ気づいた私は、水を得た魚のごとくピッチピチに攻め上げる。

「大阪?大阪ですか?へー! 年末表示されてた距離って660㎞くらいだったんですけど、仮にそれが私のいた四国と西田さんのいる横浜の距離だとするじゃないですか?
でも、年明けの西田さんと私の距離って700㎞以上あったんですよ。大阪だったら近づいてるはずじゃないですか??」

「え?Tinderの位置情報ってそんなに精度いいの…?」

知らねえよ。

なんなんだ、このリアル逆転裁判は。楽しい。勝てる試合は本当に楽しい。
「で、結局どうなんですか?????」

 

黙る西田。私も黙る。

初めての就職先もそこそこブラック企業だったかもしれないけど、業界では「ヤリ手社長」と言われてた人の下で学んだことはたくさんある。そのうちのひとつは『相手も自分も譲らないと察した時は、何がなんでも黙れ』だった。
例えば電話の営業で何かのオファーがあったとする。それを断る理由を丁寧に述べても相手が引き下がらなかったらどうする? 答えは無言になること。
人は沈黙を嫌う。会話のキャッチボールが私だとしても、ラチがあかないときは無言になった。そうすると相手から絶対話しかけてくる。しかも折れて。
そんな無言技を私はにっこにこの笑顔で西田に向けていたのであった。

「あーー、俺はどうすればいいの?」
もうこれは諦めているようだった。

「普通に私が納得いく説明してくれればいいのに。あんた最初から怪しかったんだよ。」
人に向かって悪意ある「怪しい」を向けたのは初めてかもしれない。そんでもって、もっと上手い人だったらどーにでも説明できたのに。家にいたなんかより「友達とスノボ言ってた」「ばあちゃんち行ってた」の一言で片付いてたはずなのに、西田は嘘をつくのが下手な嘘つきだった。

「とにかく、嘘つくやつとは一緒にいれない。電車で正月なにしてたか聞いたのが最後のチャンスだったのにね。だからあえて一人で夜を過ごせそうな場所まで来てやってんだよ
そう。これは私の優しさ。ここ大都会では満喫だって風俗だってファミレスだってある。始発まで時間つぶすのにはもってこいの街にわざわざ西田を降ろしてやったのだ。そんでもって、西田は気づいてなかったけど、何かあった時のために交番の近くでこの茶番を始めていたのだった。

勝った。
いつもはTinder上で論破してたことを、こんなエンカウント状態で戦ったのははじめてだけど、初白星を飾った。はっきり言ってど~~~~~~でもいいことだったけど、暇つぶしには最高だった。そして論破しきった後の爽快感の半端なさは癖になりそうだった。これはやばい…

「~~~~~~」という西田の諦め顔に向けて、「じゃ、ここで解散で」とかっこよくキメて去ろうとした時、西田が耳を疑う一言を発した

 

 

 

 


「飲み代払えよ」


?!?!?!!

こいつがケチなの忘れてたーーーー!!!
wwwwwwwwwwwwwwwと草が生えまくった後に、財布を見たけどやっぱり万札と小銭しかなかったので、入ってる小銭全部出して渡した。たぶん800円くらいだったと思う。というか飲み代自体3000円いくかいかなかだったはず。
最後までキャラをくずさず、お金を請求してきたことには敗北を感じた。

解散した後は念のためタクシー使って家まで帰った(まずケチだからタクシーは使わないだろう)、その間に西田からLINEがきた。

 

 


『参りました』

wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
参ったの?!ねえ参ったの?やっぱこれは勝負だったの?!うそでしょ?!
おかあさん!結局、身元もわからない西田だか山田だかわかんない、人を騙そうとする男に私勝ったよー!と心の中でジャンピングガッツポーズをし、無言でそのままブロックして終了しましたとさ。


<今回の教訓>
・私の直感は間違ってなかった

<今回の教訓(西田または、西田っぽいことをしようとする人に向けて)>
・人のことを怪しんでるという例を出す女は自分のことも疑ってるんだゾ☆

 

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ファンキー加藤のW不倫は、当人たちは済んでる話題を掘り返された感があるのであんまり楽しくありませんでした。というか、37歳過ぎてオーバーオールキャラは石ちゃんしか許さないんだから!!